武田のシャイアー買収などに見る製薬業界の最新動向

2018.11.27村上 和巳 氏
フリージャーナリスト


既成概念にとらわれず自由な発想を活かしたい。私たちの会社では、こんな想いから外部講師を招き、セミナーを実施しています。

後発品使用促進策、診療報酬・薬価改定、薬価制度の抜本改革などの医療費抑制策により、国内の製薬企業を取り巻く市場環境はかつてないほど劇的に変化しており、製薬企業は従来の事業構造を変革する必要性に迫られています。
今回は、製薬業界の取材に長年従事してきたフリージャーナリストの村上和巳氏をお招きし、「武田のシャイアー買収などに見る製薬業界の最新動向」というテーマでご講演いただきました。フリージャーナリストならではの視点で、取材のこぼれ話を交えながら業界の動向について語っていただき、非常に興味深いセミナーとなりました。ここでは、その一端を紹介いたします。

講師:村上 和巳 氏

フリージャーナリスト
中央大学理工学部土木工学科卒業後、株式会社じほうに入社。医薬系の学術誌、医薬産業紙の記者として7年従事。退社後は、フリージャーナリストとして当初は海外の戦場取材に飛び回る。現在では国際紛争、医療、災害・防災の3つの分野を柱として、週刊エコノミスト、現代ビジネス、毎日新聞「医療プレミア」、Forbes JAPAN、Monthlyミクス、旬刊医薬経済、QLife、m3.comなどで執筆活動を行っている。

製薬企業が日本で生き残るために ―「Around the pill」と「Beyond the pill」―

村上氏はまず、近年の医療費抑制策の実情・内幕に触れた上で、製薬企業の未来予測とあるべき姿について、各企業の経営状況や研究開発状況を踏まえながら大胆に語られました。

武田薬品工業のようにグローバル化を目指す動きがみられる内資系製薬企業はほんの一部にすぎず、多くの企業が国内での生き残りを図るべく模索しているのが現状です。村上氏は、製薬企業が国内で生き残るためには、医薬品の開発・製造・販売という従来の事業の枠組みを超え、服薬支援、治療効果測定支援、健康管理・疾患予防支援、雇用支援、地域包括ケア支援など、いわゆる「Around the pill」「Beyond the pill」と呼ばれる領域で新たなビジネスを展開する総合ヘルスケアソリューション企業になるべきだと主張されました。

企業の未来予測には定性指標も重要

2018年5月、武田薬品工業が、アイルランド製薬大手のシャイアーを7兆円弱で買収すると発表しました。実現すれば売上高で世界トップ10に入るメガファーマが日本で初めて誕生することになります。そこで、村上氏に独自の視点で同社の未来予測についての見解を語っていただきました。

そのなかで村上氏は、本件の取材を続ける過程で同社のクリストフ・ウェバー社長の言動を注意深く観察することにより、ウェバー社長のマインドや価値観、戦略立案能力が垣間見えたことに触れ、同社の未来予測にあたっては数字(定量指標)だけではなく、数字では表れないこれらの定性指標も判断材料にすべきであると、「桶狭間の戦い※」を引き合いに出しながら述べられました。

※ 1560年、桶狭間で織田信長が今川義元を奇襲し、圧倒的な数的不利と考えられる戦力差を覆して破った戦い。

(メディカル・ライティング部 岩本 邦彦)

Recruiting Information

メディカルライター、アカウントエグゼクティブを募集しています。
応募される方は、こちらをご覧ください。

ページTOPへ戻る