製薬ビジネス大改革 産業イノベーション始動

2019.3.5沼田 佳之 氏
マンスリーミクス編集長


既成概念にとらわれず自由な発想を活かしたい。私たちの会社では、こんな想いから外部講師を招き、セミナーを実施しています。

近年、製薬産業にとって激動の時代が続いていますが、今後もさらなる波が押し寄せようとしています。2019年10月には消費増税改定が控え、その半年後には2020年4月の診療報酬改定を迎えます。人工知能やビッグデータを医療サービス向上や医療の効率化に活用する動きも本格化する中、製薬産業にとって、従来型ビジネスからの転換はもはや避けられません。
今回はMonthlyミクス編集長 沼田佳之 氏をお招きし、「製薬ビジネス大改革 産業イノベーション始動」というテーマでご講演いただきました。ここでは、その一端をご紹介いたします。

講師:沼田 佳之 氏

株式会社ミクス 代表取締役 Monthlyミクス編集長

北里大学を1987年に卒業後、外資系製薬企業に入社。営業本部に所属し、医薬情報担当者(MR)として活動。この経験を踏まえ、1992年から製薬業界向けの日刊紙の記者として、厚生労働省、製薬業界、医学・医療界の取材に従事。キャップ、デスク、編集長を経て、2008年12月にエルゼビア・ジャパン株式会社に移籍。 Monthlyミクスの編集長に就任。
2017年7月にエルゼビア・ジャパンから株式会社ミクスに事業が承継され、同社の代表取締役兼ミクス編集長として現在に至る。

2020年は製薬産業にとっても大きな転換期になると予想される。

まだ日本企業が世界時価総額ランキングを総なめしていた平成元年から30年が経ち、GAFA(※1)に代表されるデータドリブン企業がトップを占める時代へ、社会は大きく変化していった。講演はそんな話から始まりました。この30年で製薬産業も大きく変化しました。プライマリー領域というとても大きな市場を相手にしていた頃から、革新的新薬を軸とする新薬市場と長期収載品/後発品/基礎的医薬品を軸とするエッセンシャル市場との2極化が進み、マーケティング戦略もSOV(Share of Voice)重視の時代からデジタル戦略の時代に突入しました。人工知能やIoTなど技術の進歩に伴い、国も新しいテクノロジーを使った医療の効率化を進めていきます。
また、医師の意識にも変化がみられます。従来は近隣の医療機関との競合や診療の多忙さを課題と感じている医師が多数を占めていましたが、直近の医師調査から、ポリファーマシーやネットワーク型の多職種連携・情報共有を重要な課題と認識している医師が多いことが分かりました。
2020年4月の診療報酬改定に向け、データヘルス計画(※2)を中心に様々な議論が活発化する見通しです。オリンピックイヤーは製薬産業にとっても大きな転換期になると予想されます。

※1 アメリカ合衆国におけるGoogle、Amazon.com、Facebook、Apple Inc.の4つの主要IT企業の頭文字を取って総称する呼称
※2 国の成長戦略として医療情報(レセプト)や健診結果の情報等のデータ分析に基づき、PDCAサイクルで効率的・効果的な保健事業を実施する取り組み

販売情報提供活動ガイドラインへの対応

講演後半では、2019年4月に施行される「医療用医薬品の販売情報提供に関するガイドライン」について、ポイントを解説していただきました。
最も重要なポイントは「経営陣の責務」が明確化された点だと沼田氏は言います。販売情報提供活動のすべてにおいて、経営陣が責任を負うことになるのです。また、社内体制の整備や資材の適切性の確保、販売情報提供活動に関する評価や教育も求められています。さらに、MRの評価体制についても言及されています。過大な売り上げ目標やインセンティブ、ノルマの設定が不適切な販売情報提供活動につながる要因とされ、売上至上主義からの脱却が求められています。そのほか、「販売情報提供活動監督部門」の設置や「業務記録」の作成についても記載されています。本ガイドラインの対象はMRだけではなく、MSLその他の名称やその所属部門に関わらず、雇用するすべての者等に対して適用とされています。

講演の最後には、社会の厳しい目にさらされた製薬産業の社会的存在としてのありかたやMRのビジネスオーナー型の意識・行動変容が求められていると締め括りました。

(メディカル・ライティング部 増田 一樹)

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