アート&デザインからワクワクするヘルスケアをつくろう

2019.6.13丸山 亜由美 氏
トリプル・リガーズ合同会社代表


今回は、グラフィックデザイナーとしてヘルスケア・医療領域で活動しているトリプル・リガーズ合同会社代表の丸山亜由美氏をお招きしました。

外資系製薬企業の営業部で活躍していた丸山氏は、とあるデザイン性の高い医療機器が大きな売り上げを記録するという経験をし、デザインの力を実感します。これを機に製薬会社を退職し、美術系の大学で4年間デザインを学んだ後に自身の会社を設立しました。現在は自身の糖尿病患者としての経験も活かしながら、ヘルスケア・医療領域でユニークな作品やアイデアを発表しています。丸山氏の作品の特徴は、「病気や治療は嫌なものである」といった従来のイメージを覆すような、見る人をワクワクさせるような作品であることです。こうした作品を発表することによって、世の中の病気に対する考え方をポジティブに変容させることを目指しています。

今回のセミナーでは、丸山氏による講演とワークショップを通して、新たなビジネスを生み出すためのきっかけ、そしてこれからの時代のヘルスケア・医療の展望について、気付きを得ることができました。
ここではその一端をご紹介いたします。

 

講師:丸山 亜由美 氏

トリプル・リガーズ合同会社代表

北里大学 医療検査科を卒業。臨床検査技師の資格を取得した後、外資系製薬企業Rocheに入社。遺伝子研究機器の営業部にてトップセールスを記録する。3年間の社会人経験を経て、武蔵野美術大学 基礎デザイン科に学部生として入学、うち1年間はドイツのケルン国際デザイン大学に交換留学(トビタテ留学ジャパン優秀賞) 。
卒業後はPanasonic主催 100BANCHやNPO法人 ETIC.主催 Makers Universityなどのアクセラレーションプログラムに採択。東京都主催のビジネスコンテスト Tokyo Startup Gateway 2018、経産省主催のジャパン・ヘルスケア ビジネスコンテスト2019 アイデア部門にて優秀賞を受賞し、2019年3月にヘルスケアにおけるデザイン制作事業にて法人設立。

アイデアは、個人の強みと世の中の課題の掛け合わせから生まれる

丸山氏は自身の会社を立ち上げる際、自分の強みや課題意識が、社会的なニーズとどのようにリンクするのかを徹底的に考え、100の事業アイデアを書き出したといいます。
セミナーでは「60分で社内ベンチャー設立」と題してワークショップを行い、丸山氏がアイデアを考えるときに実際に行っているプロセスを追体験しました。
まず初めに各自が「自分の好きなこと・できること」と「個人的な課題」を書き出します。その後3名ずつのチームを作り、各自の強みと課題をチームで共有、ビジネスチャンスを見つけ出し、「誰のために、どんなプロジェクトやサービスを作るか」を考えていきました。
与えられた時間は60分。笑い声が飛び交いながらも白熱した議論が行われ、ユニークなアイデアがたくさん生まれました。(以下、一部紹介)

・株式会社前向き:AIを使って老後の前向きな生活のバーチャル体験を提供する会社。「前向き」という個人の性格と「高齢化」という世の中の課題の掛け合わせから考案。

・昭和館:昭和風に演出した宿泊施設。インターネットやテレビなどの過剰な情報をシャットアウトできる。「古きよきものが好き、旅行が好き」というメンバーの共通点と「情報過多」という世の中の課題の掛け合わせから考案。

・いきもの倶楽部:寂しい人たちの心を癒すペット常駐型の居酒屋。「動物が好き」というメンバーの共通点に「料理・利き酒・傾聴」という特技、「寂しい人が多い」という今の時代の課題を掛け合わせ考案。

医療系広告代理店らしい発想から各自の趣味をベースとしたものまで、個人の強みと課題を掛け合わせると、意外なビジネスチャンスがあるということに気付かされます。
「自分の好きなことやできることは過小評価しがちだが、それを世の中の課題と掛け合わせることによって、誰かのためになる事業を生み出すことができる。」-丸山氏のそんな言葉が印象的でした。

人生100年時代に求められるのは、患者の生活を豊かにするためのワクワク

最後に、丸山氏の事業領域であるヘルスケア・医療について、その展望をお話しくださいました。
現代は人生100年時代、多くの人が疾患を抱えながら生きていく時代です。「疾患と向き合う時間が長くなる中では、その時間をより豊かにしていくことが求められる。病気はネガティブなものではなく、ひとつの個性として捉えていく必要がある。」と丸山氏は考えています。そのような社会の中で、自身の医療と芸術の二本柱、そして患者経験を強みとして、「これからもアートとデザインの力で、ワクワク(価値観・行動をポジティブに変容させるアイデアやサービス)を作り続けていきたい。」そう語り、セミナーを締めくくりました。

(メディカル・ライティング部 西 真名美)

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