薬局の新しい未来―顧客に支持され慕われる薬局・薬剤師とは?

2020.7.9竹中 孝行 氏
株式会社バンブー 代表取締役 / 一般社団法人薬局支援協会 代表理事


既成概念にとらわれず自由な発想を活かしたい。私たちの会社では、こんな想いから外部講師を招き、セミナーを実施しています。

日本が抱える問題のひとつである超高齢化・人口減少社会において、避けては通れない医療費の圧迫問題。薬剤師は、そのような厳しい医療動向を明るい方向に動かすことができる、キーとなる存在ではないでしょうか。

今回、株式会社バンブーの代表取締役で薬剤師である竹中孝行氏に「薬局の新しい未来―顧客に支持され慕われる薬局・薬剤師とは?」というテーマでご講演いただきました。ここでは、その一端をご紹介します。

講師:竹中 孝行 氏

薬剤師 / 株式会社バンブー 代表取締役 / 一般社団法人薬局支援協会 代表理事

製薬会社のMRとして活動し、その後薬局勤務を経て、2012年に株式会社バンブーを設立。薬局4店舗と、デイサービスや訪問介護などの介護、ヨガ・エステなどの美容事業を運営。2016年には一般社団法人薬局支援協会を設立。「みんなで選ぶ薬局アワード」を毎年企画している。
https://bambooo.co.jp/index.html

地域密着型薬局、予防医療に力を入れる薬局など、薬局の形態は多種多様

竹中氏ははじめに、ご自身が経営している4店舗の薬局の特徴についてご紹介されました。このうち、超高齢化・人口減少地域にある薬局は、最寄りの医療機関への距離が1.5kmもあり、近くにドラッグストアやスーパーがない立地にあります。そのような環境の中で地域密着型の薬局となるべく、医療用医薬品にとどまらず、一般用医薬品、健康食品、衛生用品、そして地元で収穫された野菜など幅広い商品を取り揃え、さらには地域住民向けの健康イベントなども行っています。また、別の薬局は、在宅医療に特化した薬局として近隣の医療機関や介護事業所と連携しながら患者さんの自宅を訪問するなど、薬剤師の専門性を活かして地域のターミナルケアを支えています。さらに別の薬局では、検体測定室を設置し、患者さんの指先から採取したわずかな血液を用いて健康チェックを行うことにより、患者さんの健康意識を高める取り組みを行っています。このように、竹中氏はそれぞれの地域の実情に応じて独自の特徴をもつ薬局を複数経営し、地域の医療に貢献されています。

薬局はどこも一緒?患者が自ら薬局・薬剤師を選ぶ時代

次に竹中氏は、ご自身が設立した一般社団法人薬局支援協会が主催するイベント「みんなで選ぶ薬局アワード」(http://ph-support.jp/pharmacyaward/)についてご紹介されました。このアワードは、全国各地の薬局での独自の取り組みの発表を通じて、「薬局はどこも一緒」「信頼できる薬局が欲しい」と思っている一般の方々に、自発的に薬局を選び活用してもらうことを目的として2016年から毎年開催しているイベントです(図1)。アワードの事例として、薬局に併設したコミュニティスペースを地域住民を巻き込んで運営する取り組みや、さらなる病気にかからないように患者さんの健康をサポートする「かかる前薬局」を目指した取り組みなどをご紹介いただき、これからの薬局のあるべき姿の一端を垣間見ることができました。

支持され慕われる薬局・薬剤師、その未来像とは

竹中氏は最後に、薬剤師の未来像について言及されました。まず、薬剤師の任務が薬剤師法で「調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする。」(薬剤師法第1条)と定められていることに触れ、薬剤師は調剤業務にとどまらず(図2)、国民の健康に関するあらゆる任務を担わなくてはならない存在であると強調されました。そのうえで、超高齢化・人口減少社会において支持され慕われる薬局・薬剤師として生き残るためには、①薬局の役割を地域に見える化し、活用してもらうこと②一次予防・二次予防に力を入れること③コミュニケーション力を通じて地域の薬局間の連携、多職種とのネットワークを構築し、調剤報酬だけに頼らないサービスの提供を確立することが重要であると主張され、本セミナーを締めくくりました。

(メディカル・ライティング部 柳川 亜由美)

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