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【セミナー19. 講師:柴田 要 氏】コンセプト論

2022.4.21 講師:柴田 要 氏
株式会社マーケマン 代表取締役

※ 本講演は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策のため、オンライン形式で実施されました。

既成概念にとらわれず自由な発想を活かしたい。私たちの会社では、こんな想いから外部講師を招き、セミナーを実施しています。

製薬業界を取り巻く環境は大きく変化しています。私たち広告代理店も生き残っていくために、クライアントのニーズの変化に柔軟に対応すべくマインドやスキルを再確認し、日々研鑽していかなければなりません。今回は、博報堂のマーケティング局で20年以上の経験を積まれ、現在は株式会社マーケマンの代表を務められている柴田要氏に「コンセプト論」というテーマでご講演いただきました。

講師:柴田 要 氏
株式会社マーケマン 代表取締役

<講師略歴>
1991年、九州大学工学部建築学科修士課程修了。博報堂入社、マーケティング職・ストラテジックプランニング職として21年勤務。2013年より株式会社 WHITEを経て、2018年株式会社マーケマン設立。

「新しい見立て」が商品の魅力の気づきにつながる

講演は、コンセプトについての解説から始まり、森永ラムネの事例をご紹介いただきました。
近年「ラムネは子どものお菓子」という広く定着した既成概念を、「ラムネは集中力アップのブドウ糖」といった既成概念から外れた訴求を行ったところ、学生や社会人の間でヒットし、話題になりました。これは、人々に浸透していない認識でも、「なるほど」と受け入れられるものであれば、商品の魅力の気づきが生まれ、結果的に売りにつながるという好事例です。このような既成概念に対する新しい認識の仕方を「新しい見立て」といい、同じ商品でも認識が変わると消費者の行動も変わることがあります。

続けて柴田氏は、博報堂出身の有名なコピーライターである谷山雅計氏の『広告コピーってこう書くんだ!読本』を引用し、「そりゃそうだ」「そういえばそうだね」「そんなのわかんない」という3つがあったときに、良いコピーは「そういえばそうだね」と思われるもの、という話を紹介しました。コンセプトについても同じことが言え、「そりゃそうだ」というようなコンセプトは既成概念であり、「そんなのわかんない」というようなコンセプトは新しい見立てかもしれないが筋は良くない。前出の「ラムネは集中力アップのブドウ糖」というコンセプトは「そういえばそうだね」と思わせる絶妙な見立てといえます。

逆算型の「デコンストラクション」のトレーニング

次に柴田氏は、「新しい見立ての見つけ方」についてお話しされました。まず、対象そのものやユーザー・ターゲット、競合の手口などを検討することに加え、新しい見立ての例を広く知っておくことが重要です。そして、新しい見立てを見いだす方法として、「デコンストラクション」という手法があります。通常、新商品の開発やキャンペーン施策、広告制作にはブリーフが先にあり、それを踏まえてプランニングしますが、これに対して、世にある商品やキャンペーン、広告から逆算して、もとになる狙いや考え方をブリーフに落とし込むのがデコンストラクションです。さまざまなアウトプットに対してデコンストラクションの訓練を続けることが、プランニングに活きてきます。

その他に講演内で柴田氏は、見立て能力の強化を念頭に、さまざまな広告における「既成概念」と「新しい見立て」の事例を多数ご紹介いただきました。普段、あまり意識することのない広告の裏側について深く考察する貴重な機会となりました。

(ソリューションデザイン部 中田 菜摘)

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