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【セミナー20. 講師:柴田 要 氏】広告会社の強みを考える~コアアイディア論~

2022.5.17 講師:柴田 要 氏
株式会社マーケマン 代表取締役

※ 本講演は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策のため、オンライン形式で実施されました。

既成概念にとらわれず自由な発想を活かしたい。私たちの会社では、こんな想いから外部講師を招き、セミナーを実施しています。

「クライアントの想いをかたちにすること」、それが私たち広告代理店の使命です。どうすれば、人に届く、人の胸に響くアイディアを創出できるのでしょうか。今回は、前回の「コンセプト論」に引き続き、博報堂のマーケティング局で20年以上の経験を積まれ、現在は株式会社マーケマンの代表を務められている柴田要氏に、「広告会社の強みを考える」シリーズ第二弾、「コアアイディア論」というテーマでご講演いただきました。

講師:柴田 要 氏
株式会社マーケマン 代表取締役

<講師略歴>
1991年、九州大学工学部建築学科修士課程修了。博報堂入社、マーケティング職・ストラテジックプランニング職として21年勤務。2013年より株式会社 WHITEを経て、2018年株式会社マーケマン設立。

“打ち手”にはヒントがある

打ち手(優れたマーケティング事例)にはヒントがある。」柴田氏はまず、打ち手から得たヒントをもとに新たなアイディアを生み出し、結果を出せたご自身の経験についてお話しされました。第一弾「コンセプト論」の復習となりますが、新しい見立てやアイディアを考える際には、デコン(デコンストラクション。既に世にある商品やキャンペーン、広告から逆算して、もとになる狙いや考え方をブリーフに落とし込むこと)のトレーニングが重要な役割を果たします。いくつもの事例でデコンを行い、「ケーススタディ」を重ねることが重要な一方、数多く出版されているマーケティング本には、①日本の事例が多く載っているもの、②具体事例が程よく抽象化・分類されたもの、③シンプルにまとまったもの、といった、“程よい参考書”はなかなかありません。
「参考書がないなら自分たちで作ろう」と、柴田氏は広告だけにとどまらない多くの事例(ヒット商品や流行語など)を持ち寄り、その手口を研究するプロジェクトを前職時代に試み、その内容について説明してくださいました。

優れたマーケティングには“コアアイディア”がある

柴田氏がケーススタディを重ねていく中で気づいたことが、優れたマーケティングには“コアアイディア”があるということでした。コアアイディアはすべての施策の中心的な役割を果たしており、一言でいうと「マーケティングと表現を貫く決定的アイディア」のことです。柴田氏は、コアアイディアの実例をたくさん頭に入れておくことが、プランニング能力の強化につながるとの考えを強調しました。また、その研究プロジェクトでは、デコンを行った多くの事例を分析し、コアアイディアを図2のように大きく5つに分けました。この手口集は、デコンを行う際や、課題にぶつかった際に、解決へ導くコアアイディアのヒントになります。講演内では、こちらの手口集を使用しながら、CMを中心とした、さまざまな広告における“コアアイディア”と“コア課題”のデコンの事例を多数ご紹介いただきました。

“事例を見る目”を養う。

柴田氏は最後に、二回にわたり講演した「広告会社の強みを考える」シリーズのまとめとして、「事例は重要な“データ”であり、“受け手”として売れているものを気にする癖、“作り手”としてなぜ?を考える癖を大切にして、事例を見る目を養い、今後のプランニングに活かしてほしい」というメッセージで締めくくられました。「アイディアとは既存の要素の新しい組み合わせである(ジェームズ・W・ヤング)」今でもなお名言として残るこの言葉が、再度胸に沁み、アイディア創出のヒントを得る貴重な機会となりました。最後に、「真面目な商品だからこそチャームを忘れない」。講演中、柴田氏が何気なく発したこの一言を、私の参考書の1ページに刻もうと思います。

(メディカル・ライティング部 柳川 亜由美)

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