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【セミナー27. 講師:入谷 亨 氏】創発的な会議を進めるヒント

2023.6.15 講師:入谷 亨 氏
入谷人財開発企画 代表

※ 本講演は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策のため、リアルとオンラインを組み合わせたハイブリッド形式で実施されました。

既成概念にとらわれず自由な発想を活かしたい。私たちの会社では、こんな想いから外部講師を招き、セミナーを実施しています。

我々広告代理店にとって、日々のミーティングにおいていかにアイデアを生み出すかは大変重要なことです。今回はアイデアが生まれやすい会議を進めるための知恵について、事例を交えながら、入谷人財開発企画 代表を務められている入谷 亨氏にご講演いただきました。

講師:入谷 亨 氏
入谷人財開発企画 代表

<講師略歴>
早稲田大学商学部卒業後、建設会社経理課、市役所企画課、商工課を経て、 1990年3月 社団法人日本能率協会入職。1991年10月 株式会社日本能率協会マネジメントセンター転籍。同社にてチーフコンサルタント、主任コンサルタントとして営業力開発コースやOJTコース等の様々なコース開発に携わったのち、2017年12月に同社退職。 33歳から今に至るまで、延べ二千数百回の研修に講師として携わるとともに、社内で各種研修コースの開発にも従事している。

アイデアは全て生かせる

はじめに入谷氏は、「良い」アイデアというものはなく、アイデアは「良くする」ことで良いものになる、とお話されました。なぜならどんな非現実的なアイデアであっても、そのアイデアの本質を生かす現実的方法を模索することで有用化ができ、また逆に陳腐で現実的すぎるアイデアであっても、その他のアイデアを組み合わせ手段を極端化することで有用化ができるからです。そのためどんなアイデアでも活用可能であり、ミーティングでは恐れず発言するべきであるとのことでした。 またミーティングの際に心がけることとして、アイデアの本質部分を失わないためにも、必ず単語ではなく文章で発言し、本人の発言はそのまま文章で記録することが大切である、とのお話もありました。

創発的な場を作るための工夫

次に入谷氏は、たくさんのアイデアを得るための、以下4つのミーティングのルールについてお話されました。

  1. 質より量:最初からいいアイデアを出そうとするのはいけない。まず質より量重視でアイデアを出す。
  2. 褒めあう:アイデアを出しやすい雰囲気づくりが大切。どんな意見にもまず「いいね」と言う(言葉だけではなく態度でも示す)。
  3. 自由奔放:こんなこと言ってはいけない、等の自分への制約をかけずに発言する。
  4. アイデアに便乗:他人のアイデアを少しでもいいのでアレンジして発言する。

入谷氏は上記に加え、思考の枠を破る大切さについてもお話されました。我々は一般的に何ができるかより先に何ができないかを考えがちであるが、実はできないとは「●●の場合できない」という限定条件下の場合が多く、「●●ならできる」と考えることで思考の枠から自由になるのが大切である、とのことでした。それに合わせて創発性向上のために、発想の着眼点を変えることの重要性も強調されました。
また入谷氏は各個人の自我とコミュニケーションとの関連にも言及されました。ミーティングでは周りを萎縮させる言動は絶対に避けるべきであるが、そのような言動は本人の無意識下で表れるもので、各人の心理特性との関連が大きいとのことでした。より具体的には、人は生育過程により決まった5つの自我の強弱で特性が変わると言われており、それらには一長一短があるとのことです(図1,2)。ミーティングにおいては、己の特性を知ったうえでTPOに合わせて自我がマイナスの方向に出ないように心がけるのが大切である、と入谷氏はお話されました。

アイデアがあふれるミーティング運営方法

最後に入谷氏は、アイデアが出やすいミーティング運営のための以下4つのルールを挙げられました。

  • ミーティングの目標を決める:「●分間でアイデアを●件出す」等目標を決めることで、それを達成しようというモチベーションが生まれる。
  • ミーティングのフェーズを分ける:アイデアを出しやすくするため、ミーティングの中でアイデアを出す段階と出たアイデアを議論する段階とを明確に分ける。
  • 集中力を回復する時間を作る:人の集中は長くは続かない。本当に何もせずボーっと外を眺めるのがおすすめである。
  • ミーティングは明るく終わる:最後の印象を良くすることで以後も雰囲気のいい会議にしていく。笑声での挨拶を心がけるとよい。

これらを意識したミーティング運営により、創発的なミーティング運営が可能になると入谷氏はお話され、本講演を締めくくりました。 活発なアイデアを出すためのミーティング運営について多くの学びが得られる、貴重な機会となりました。

(メディカル・ライティング部 石橋 真理亜)

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